RB Leipzig №44 Kevin Kampl〔インタビュー〕(2023/5/2)

インタビュアー:Mr.Kampl、SC Freiburgとのポカールでの対戦は必然と昨季のポカール決勝の記憶を呼び起こすものですか?
Kevin Kampl:あぁ、もちろん。素晴らしい決勝戦だったし、幸運なことに最後は良い結果が自分たちの方に転んだから。Freiburgにとっても良い経験になったと思う。一方で、あのような試合に負けたときの気持ちもよく分かる。ポカールの決勝では2度負けた。でも、過去のことはもう関係ない。両チームとも決勝に進みたいし、お互いが何かを譲ることはないからね。

インタビュアー:ポカールの優勝はこれまでのキャリアの中で一番のハイライトだったのでしょうか?
Kampl:特にそれにまつわる全ての歴史も考えたら、間違いなくそうと言える。自分たちの多くは長い間、一緒にプレーしてきた。決勝戦では2度負けている。そして、3度目の決勝でこの試合を経験することになった。0-1で負けていたのに、レッドカードが出されて、最後には逆転して優勝する。あの日は自分のキャリアの中でも最高のものの1つだ。

インタビュアー:クラブ史上初のタイトルを獲得したことで、プレッシャーは軽減されたのでしょうか?
Kampl:ポカールを制した時はそれがどんなに素晴らしい経験であるかを知り、何としてでもタイトルを守りたいと思うものだ。でももちろん、クラブ史上初のタイトルは特別なものだった。

インタビュアー: あなた自身、SC Freiburgとの対戦は過去8試合負けなしです。この対戦相手は好きですか?
Kampl:Freiburgはチームとして非常によく機能しているから、対戦することがいかに難しいかは誰もが知っている。確かに、成績は良い。でも、それはポカールとは関係ない。Freiburgにとってはホームゲームだし、スタジアムは熱気に包まれる。彼らは非常に熱くなるし、決勝に進みたいと思っているはずだ。でも、自分たちもポカール王者として、自信を持って試合に臨む。

インタビュアー:優勝した後、あなたがレッドブルの缶でトロフィーを満たしている写真がありました。この行為は当時、多くの批判を浴びました。意図的に少し挑発的な態度を取ろうとしたのでしょうか、それともこのようなネガティブな反応は予想していなかったのでしょうか?
Kampl:正直なところ、最初は考えてもみなかった。自分の中にはたくさんの感情があり、純粋に喜びを感じていたから。自分はスポンサーの飲み物をカップに傾けた。他のチームではお酒などでやっていることだ。残念なことに、その後にたくさんのヘイトメッセージを受け取ったけど、そのうちのいくつかは一線を超えているものだった...。

インタビュアー:どのような意味で?
Kampl:自分の家族や子供たちに対するものでもあった。でも、基本的に自分はうまく対処できる人間だ。このことが一部の人たちの恨みを買ったことは理解できる。挑発するつもりはなく、単に喜びから来たものだった。あと、たまにレッドブルを飲むことが好きなんだ(笑)

インタビュアー:ピッチ上の話に戻ります: あなたは今、4日間で2回、SC Freiburgと対戦します。まずDFBポカールで、次にブンデスリーガで。決勝に進出するため、そしてCLの出場権を獲得するためです。この4日間でシーズンの終わりが決まってしまうような感じでしょうか?
Kampl:この2試合で全てが決まるとまでは言わない。ただ、多くのことが左右される。この2試合は決定的なものだ。ポカールでは全てが懸かっているし、ブンデスリーガでは順位が非常に接近している。両チームともCLに出たいと思っている。もちろん、この1週間が自分たちにとってプラスなものになることを望んでいる。  

インタビュアー:もう一度、あなたの経歴についてお話ししましょう。あなたはBayer Leverkusenのユースチーム出身ですが、すぐにブンデスリーガに定着することはできず、ドリッテリーガブンデスリーガ2部、そしてオーストリアブンデスリーガを経由して遠回りをしてきましたね。若い頃、すぐにブレイクするためには何が足りなかったのでしょうか?
Kampl:自分が初めてプロ契約を結んだLeverkusenの当時のチームは非常にクオリティが高かった。自分は若い選手としてプロの世界に入ったけど、全てのことがまだ新しいことで、興奮することも多く、まだ自信もなかった。自分のポジションにはLars Bender、Arturo Vidal、Toni Kroos、Michael Ballackなど、ワールドクラスの選手たちがいた。当時の自分のような若造には難しいことだった。プレー時間を確保するためには他のクラブに移籍しなければいけないと自分でも実感していた。だから、ドリッテリーガに行ったんだ。でも、当時から自分のキャリアについて明確な目標を立てていた......。

インタビュアー:その目標は何だったのでしょうか?
Kampl:ドリッテリーガに移った時は1年間プレーして経験を積み、ブンデスリーガ2部で自分をアピールし、いずれはブンデスリーガ1部にジャンプできるようにしたいと考えていた。Osnabrückでのドリッテリーガではとてもうまくいき、その後Aalenに移籍してブンデスリーガ2部でも良いスタートを切ることができた。その後、Red Bull Salzburgが自分と契約してくれた。Aalenには2カ月半しかいなかったから、ちょっと異例のことだった。でも、契約には契約解除条項があったから、即座に移籍することができた。もちろん、この条項がこんなに早く行使されるとは誰も思っていなかっただろう。ただ、Ralf RangnickとRoger Schmidtはどうしても自分をSalzburgに連れて行きたいと考えていた。丁度チームが激変していた時期で、若い選手も多かった。自分はそれを楽しみにしていたし、Salzburgでの2年間は素晴らしいものだった。こうして、自分は巡り巡ってブンデスリーガ1部に復帰し、その後にBayer Leverkusenに移籍した。

インタビュアー:2015年1月、あなたは当初Borussia Dortmundに移籍し、シーズン後半にはJürgen Kloppによって非常に頻繁に起用されました。現Liverpool監督とはどんな思い出があるのでしょうか?
Kampl:彼とはとても良い思い出があるし、仲も良かった。でも、とても特別な1年でもあった。Salzburgでは全てが完璧に進み、リーグ戦では首位に立ち、ELでも勝ち進んだ。一方、Dortmundではいくつかの問題があった。BVBはシーズン前半を終えて17位で、KloppがDortmundで過ごした最後のシーズンでもあった。個人的には多くの抵抗を乗り越えなければいけなかったから、とても勉強になった年だった。シーズン後半には順位を上げ、ELへの出場権を獲得し、DFBポカールの決勝に進出した。    

インタビュアー:KloppがDortmundを去り、Thomas Tuchelが後を継いだ時、あなたはわずか2試合目でBayer Leverkusenに移籍しましたね。その時、なぜBVBを離れたのですか?
Kampl:Thomas Tuchelともとても仲が良かった。でも、Dortmundでは数%の何かが足りないことに気づいたんだ。自分の殻を破れなかったし、何かが鈍っていた。Roger Schmidtが監督を務めていたBayer Leverkusenからオファーがあった時、それが自分にとって正しい移籍先だと理解した。引き留めたいThomas Tuchelには個人間での話し合いの場でそのことを説明した。結果的に、それは正しい決断だった。Leverkusenではすぐに別の姿の選手となることができ、Salzburgで既に得意としていたことをピッチで発揮することができた。とはいえ、Dortmundでの半年間は自分にとってとても貴重なものだった。

インタビュアー:あなたは2017年夏からRB Leipzigでプレーしています。Red Bull Salzburgでの経験はLeipzigに移籍したときに役に立ちましたか?
Kampl:それはもちろん。プレーや哲学について多くのことを熟知していた。加えて、選手のことも既にたくさん知っていた。だから、非常に簡単にスタートすることができた。Leipzigでは家族と一緒に住んでいて、2人の子供が産まれたこともあり、とてもアットホームな雰囲気を感じている。以前は2年で移籍してしまうようなタイプだった。でも、ここでは全てが密接に繋がっていて、クラブもチームメートも大好きだ。その一員であることを幸せに思う。