RB Leipzig TD Christopher Vivell〔インタビュー〕(2022/7/11)

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インタビュアー:テクニカルディレクターとはどのような仕事をするのですか?
Christopher Vivell:長期的なチームプランニングの責任者だ。自分はこのように表現することを好む。監督が試合から試合へと考えるなら、スポーツディレクターは移籍期間から移籍期間へと考える。そして、テクニカルディレクターは3,4つ先の移籍の期間を考えている。市場にはどんな才能の持ち主がいるのか。サッカーは一般的にどのように発展しているのか。クラブはどのように発展していけばいいのか。

インタビュアー:今、あなたの日常はどのようなものですか?
Vivell:今のところ自分たちにはスポーツディレクターがいない。そのため、チームとしてある程度その仕事を請け負っている。だから、短期的な仕事もあるし、今のところ自分の役職は実態とはあまり合っていない。

インタビュアー:移籍はどうなっているのでしょうか?
Vivell:準備はできているし、自分たちがどんなプロフィールの選手を求めているのかも分かっている。偏にCBと言っても、みんな同じではない。自分たちは常に自分たちにフィットしそうな選手を影なるスカッドとしてリストアップしている。移籍への扉が開かれることもあるが、すぐに閉ざされてしまうこともある。選手が他のクラブに移籍する前に、早い段階で獲得することもある。選手の質を知るだけでなく、その選手に関するあらゆる情報を入手することが重要だ。情報が多ければ多いほど決断しやすくなる。

インタビュアー:移籍の準備にはどれくらいの期間をかけるのですか?
Vivell:自分たちは常にマーケットを完全に把握したいと考えている。つまり、地域の才能ある若い選手から国際的なトップスターまで、全ての興味深い選手を自分たちのレーダーに捉えたい。しかし、時にはアラームが鳴ることもある。それはパフォーマンスデータが際立って良かったり、現地やビデオ分析でスカウトの目に特に留まった選手だったりする。自分たちが"逆スカウト"と呼んでいるものがある。ある選手が突然大量得点を挙げた場合、それまでのシーズンを振り返り、なぜこのような展開になったのか?というように、あらゆる情報を収集する。例えば、今夏に獲得したXaver Schlagerはその良い例だ。彼のことは7年前から知っているから、彼の性格や成長について調べるのに要した時間は少し少なくて済んだ

インタビュアー:あなたにとってデータの話題はチーム内でどのくらい重要なのでしょうか?
Vivell:適切な質問をすればとても役に立つ。例えば、ある選手が退団した場合、データは似たようなプロフィールを持つ選手を探すのに役立つ。データは良い決断をするための大きな支えとなる。しかし、データだけに頼るのは正しい方法とは言えない。

インタビュアー:Gulácsi, Forsberg, Orbán, Halstenbergというチームの軸は永遠にサッカーをすることはないでしょう。どのように変化を計画するのですか?
Vivell:彼らがまだ十分に力を発揮していることから、急激な変化はまだ必要ではない。Marcel Halstenberg, Emil Forsberg, Péter Gulácsiとは1年前に契約を延長したばかりだ。しかし、あなたの言う通り、彼らは永遠にプレーできるわけではない。いつかは激動が訪れ、7,8年一緒に育ってきた世代が去っていく時が来る。その時に新しい刺激的な才能と契約する責任がある。これが我々のこれまでの哲学だ。GKはその良い例だ。Maarten Vandevoortはヨーロッパで最も優秀なGKの1人だ。彼がPéterの足跡をたどってくれると信じている。

インタビュアー:この移籍期間中にチーム内で他に起こるべきことは何でしょうか?
Vivell:どのポジションも2人の選手で埋まっている。自分たちは常に向上したいと考え、選手を確保している。しかし、先に誰かを手放さずに、新しい誰かを連れてくることには意味がない。そうした場合、多くの選手がほとんど、あるいは全くプレーできないことになり、チーム内の空気を乱すことになる。

インタビュアー:Domenico Tedescoはチーム始動時にレンタル移籍していたAlexander Sørlothに意外にもRBでの再チャンスを与えることを発表しています。あなたはそのように見ていますか?
Vivell:全ての選手がゼロからのスタートだ。Alexは監督が好むフィジカルをもたらすことができる選手だ。Domenicoは非常に綿密に仕事をし、レンタル移籍から戻ってきた選手もしっかりフォローしている。彼はAlexが新しいシーズンのチームで良い役割を果たせる現実的な可能性を見出している。それに加え、Yussuf Poulsenは怪我でシーズン開幕に間に合わない。

インタビュアー:Konrad Laimerは引き留められるのでしょうか?
Vivell:ポカールの優勝チームを維持し、昨シーズンの後半戦の好調をベースにしたい。そのためにはKonrad LaimerやChristopher Nkunkuのようなクオリティーの高い選手が必要だ。だから、Konradには残ってもらいたい。

インタビュアー:クラブCEOのOliver Mintzlaffがクラブの次のステップ、つまり優勝争いについて語っています。その中であなたの役割は何でしょうか?
Vivell:これまで自分たちは毎年、慎重に成長を続けてきたし、これからもそうしていくべきだ。自分たちにとって、Christopher Nkunkuを引き留められたことはそのシグナルだ。しかし、Bayernを攻略するためには全てがさらに良い方向に向かう必要がある。シーズン後半戦の平均勝ち点数でも十分ではない。そして同時に、Bayernで何かしらの歯車が狂わねければいけない。彼らはSadio Manéというワールドスターを獲得したばかりだ。自分たちの野望はシーズンを通して自分たちにとって可能な限り高いレベルでプレーすることだ。

インタビュアー:実際の移籍はどのように行われるのですか?監督からストライカーが欲しいと言われて、Oliver Mintzlaffに電話するのですか?
Vivell:監督、経営陣、スポーツマネジメント、スカウト部門が相互に連携する。自分たちはとても信頼し合って仕事をしている。移籍は自分たちにとっては常にチームワークだが、もちろんCEOであるOliver Mintzlaffが最終的な責任を負っている。監督も大きな発言権を持っているが、自分たちは常にクラブの長期的な発展も念頭に置いている。

インタビュアー:ファンは新しいスポーツディレクターを待ち望んでいます。あなたもそう考えていますか?
Vivell:自分が最も関心を抱いているのはいかにして一貫した成功を収めるか、ということだ。それは現在の体制でもそうだし、スポーツディレクターのいる新しい体制でも同じことだ。