元RB Leipzig Dominik Kaiser〔インタビュー〕(2022/12/19)

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インタビュアー:Dominik、Hannover 96との契約満了から半年間、自分のキャリアに終止符を打つことをためらったそうですね。年末にどのような決断をされたのでしょうか?
Dominik Kaiser:秋口までは本当にクールで魅力的なクラブから問い合わせがあった場合に備えて、自分の体調を万全に整えていた。でも、その後はサッカーに特化したトレーニングを大幅に減らした。自分の中では、もう現役の選手としての一章を閉じたんだ。年が明けても現役に戻れるとは思っていないし、これからはもっと他のことに重きを置きたいと思っている。

インタビュアー:無所属だった中、どのように健康を維持してきたのですか?
Kaiser:どこかのクラブでトレーニングをしていたわけではなく、ハノーファーにいるアスレティックトレーナーの下で定期的にトレーニングをしていた。基本的には個人でのトレーニングをしていたが、契約のない他の選手と一緒に少人数でトレーニングをすることも稀にあった。家には2人の子供もいるし、フィットネスプランを守ることを心がけていた。それに、テニスもよくやっていて、以前と同じようにとても楽しんでいる。そうやって状態を維持しながら、医学的な観点からも鍛えていた。

インタビュアー:ライプツィヒには既にテニスのパートナーがいるのですか?
Kaiser:まだいない。見つけることは最優先事項としてある。クラブに入るか、個人的にパートナーを探すか、どちらかだ。テニスでリーグ戦に復帰することは十分に想像でる。サッカーに専念する前は、ほぼプロとしてテニスの練習をしていたし、それなりのレベルにはあるからね。

インタビュアー:昨季はHannoverで悪いプレーはしていませんね。自分の経歴と自分の身体の状態から、クラブを見つけられなかったことにがっかりしていますか?
Kaiser:がっかりはしていない。もちろん、クラブが自分と同じような年代の選手を大挙して追いかけることはもうないし、特に年長の選手にとっては今は難しい時期だということは分かっている。それに加えて、自分の基準もかなり高いものだった。競技面において、自分が想像できることと想像できないことのラインを自分で決めていた一方で、家族でも実現可能なことを決めていた。その結果、最初から色々と挫折してしまった。

インタビュアー:どこと交渉をしたのですか?
Kaiser:Hannoverでもう1年過ごすことも想像できた。でも、それはうまくいかなかった。ドイツ国内の市場は難しいこともあって、どちらかと言えば近隣の国々をでの可能性を探っていた。でも、それは具体化しなかった。どこでも良いからプレーしたいという気持ちは今はもうない。

インタビュアー:3部リーグは選択肢になかったのですか?
Kaiser:それは「自分が3部リーグに相応しくないと思っていること」とは全く関係ない。それでも、キャリアのこの段階であと20試合も3部リーグでプレーすることは、自分にとってが刺激が少なすぎると自分で判断した。100%納得しなければいけないし、自分自身が競技面でそのような移籍を完全に支持しているわけではないことを既に理解しているのであれば、家族に負担をかけたくなかった。

インタビュアー:あなたはRBがトップに上り詰めた象徴的な存在です。Leipzig時代以降、それが邪魔になることもあったのでしょうか?
Kaiser:海外では問題なかったが、Hannoverでは気付いた。特にファンとのやり取りは簡単なものではなかったが、街に遍在するビッグクラブで過ごしていた時間の中で、身をもって多くのことを感じられたことも事実だ。でも、もちろんRBでの時間は特徴的なものだった。ここでの退団試合の後、本当にこれ以上はないだろうと思っていた。それでも、コペンハーゲン(Brøndby IF)での時間は圧巻だった。優勝は逃したけど、選手としても、プライベートでも、素晴らしい時間を過ごすことができた。どちらの移籍にも後悔はない。

インタビュアー:15年間のプロ生活に別れを告げることは、あなたにとってどれほど難しいことだったのでしょうか?
Kaiser:毎朝ベッドの端に座って、「しまった、何かを逃してしまった」と考えるわけではないから、問題ない。大きな怪我もなく、Verbandsliga(5部リーグ)からCLまで経験し、トップクラブでプレーできた自分のキャリアを振り返り、とても満足している。今は家族のことが何よりも重要だ。それを実感できるのは良いことだと思う。もうすぐ、人生における新たな一章が始まると思っている。

インタビュアー:どんなことが恋しくなりますか?
Kaiser:サッカーは非常に多くのエネルギーと感情を与えてくれる。そんな風に、自分を満たしてくれるものをまた見つけることが大切だろう。

インタビュアー:新たに学ばなければいけないこと、楽しみにしていることは何ですか?
Kaiser:スキーだね。ウインタースポーツ一家だから、心置きなく滑れることが楽しみだ。現役時代はそんなことはしないからね。普段行かないようなドイツの端にいる友人を訪ねたり、休暇をとったりしたことはある。でも、アスリートとしての普段の一日の流れがなくなってしまうことは、全くの新しいことだった。それはそれで良いけど、あまり長い間そうであってはいけないとも思った。自分は単純に具体的な目標を追い求めるタイプで、それが選手時代の特徴でもあった。

インタビュアー:RBとの将来についての話は進んでいるのでしょうか?Max Eberlとは既に会っているのですか?
Kaiser:お互いこの街に来て日が浅いから、まだ会っていない。でも、色々と考えてみた。もちろん、新しい立場でRBに戻ってくることは十分に想像できる。

インタビュアー:どのような分野で?
Kaiser:経営面でクラブの一員になることは想像がつくけれど、自分自身はまだ模索している。選手時代と同じように、その道のりがどうなるのか、興味津々だ。

インタビュアー:例えば、元プロ選手でキャリアセンターの責任者として若い選手たちのプロ転向の橋渡し役となっていたPer Nilssonの仕事が空席になっています。
Kaiser:RBでは特に構造的な面で多くのことが流動的だ。でも、自分の経験を若い選手に伝え、才能ある選手を育てる手助けをすることも当然想像できる。