RB Leipzig CEO Oliver Mintzlaff〔インタビュー〕(2020/12/28)

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Leipzigにとっても多くのことがあった2020年をCEOのOliver Mintzlaffがインタビューで振り返った。

インタビュアー:我々はクラブとして上手くやっている、正しい道を歩んでいるんだと思えるような試合は今季に入ってからありましたか?
Mintzlaff:そのような瞬間は必要のないものだった。なぜなら自分は昨季が終わった段階でクラブは全ての側面から良い位置にいることに確信を持っていたからだ。

インタビュアー:Timo Wernerがいなくなったのにもかかわらずですか?
Mintzlaff:Timoがいなくなっても確信を持っていた。Timoを引き留めておくことはできなかった。我々はこのような出来事(移籍)を止めることもできなかったし、止めようとも思わなかった。我々にはケガから戻ってきた選手ら、例えばIbrahima Konatéがいる。Amadou Haidaraは昨季終盤に非常に良い兆しを見せていた。今季の素晴らしい出来からもそれを証明することができている。そして、Emil Forsbergの存在を忘れてはならない。彼は二度目の春を謳歌している。素晴らしいシーズンを送っているし、全く異なる選手になった。Angeliñoは1月からチームにいるが、今季に入ってからまた成長を遂げた選手だ。Dani Olmoはブンデスリーガと我々のやり方に適応するまでに時間を要したが、今は完全に居場所を確保している。全ての選手の名前を挙げることはできないが、我々にとって重要なのは順位表のトップに近い位置にいることだ。だから、良い形で前半戦を終えることができると自分は予想している。

インタビュアー:Hee-chan HwangとAlexander Sørlothは未だにチームで居場所を掴めていませんが、これらの状況が変わると望んでいますか?
Mintzlaff:望んでいるだけではない、確信を持っている。我々は彼らを長い間追っていたし、獲得は夜陰に乗じて行われたものではない。これまでも何度も話してきたことだが、新たな選手が馴染むのには時間が必要だ。Julianは2人を上手く管理するだろう。自分は確信を持っている。

インタビュアー:Patrick Schickを完全移籍で買い取るべきだったのでしょうか?
Mintzlaff:取引を完成させることはできなかった。少なくとも我々にとっては。我々の置かれていた状況を考えると我々は他にも選手を獲得しなければいけない状況だった。我々は異例のシーズンに向けての準備をする必要があったし、限られた予算を1,2人の獲得のためだけに使うことはできず、スカッド全体のために使う必要があった。1,2人のために全予算を費やすことは我々の哲学にも合っていない。

インタビュアー:クラブのボスとして、自分が好む選手を保持することは許可されているのですか?
Mintzlaff:自分は全ての選手を高く評価している。ただ例えばEmil Forsberg、Yussuf Poulsen、Willi Orbanらとは特別な関係性がある。彼らは我々と長く一緒にいるし、共に一部に昇格して、クラブと共に成長してきた。選手としても、性格的にも、クラブの顔としてもとても好かれている。

インタビュアー:Gladbachでは(Dortmundの次期監督就任が噂されている)Marco Roseがクラブから去るのではないかと恐れている人たちもいます。Julian Nagelsmannに関してはどのですか?
Mintzlaff:Hoffenheim戦(12/16)の前に遠征の準備をしていた彼のオフィスを訪れた。そこで’’Julian、マドリードバルセロナに行くの?’’と尋ねた。彼は’’ホッフェンハイムだよ。Oliver、ホッフェンハイムに行くんだよ’’と答えた。そしてそれは我々の遠征先を意味していた。我々はこの件に関してはとても落ち着いている状況だ。JulianはLeipzigとの長期契約(2023年まで)が残っているし、彼もここで心地よく感じているし、成功を収めている。更なる成功をここで我々と掴みたいと彼も思っている。JulianとRBはピッタリの関係だ。我々はチームの内外について、トレーニング環境、クラブ内の調和など彼に多くのものを提供できると確信している。昨季、そしてリスボンでのCLでチームは更に一体感を増したと思うし、それを見て取ることができる。

インタビュアー:(LeipzigはNagelsmann招聘の際に)Hoffenheimに€5Mを支払いました。もし彼が契約期間中にクラブを去ることになれば十分な利回りを得ることができます。
Mintzlaff:我々は利回りは求めていない。我々が求めているのは成功だ。我々はかなり早い段階からJulianを招聘することを決め、1年待ち、計画を立てた上で彼と長期の契約(4年)を結んだ。

インタビュアー:特に強い関心を持っていたDortmundや他のチームにはこの忍耐力はありませんでした。
Mintzlaff:それは我々とは関係のない事柄だ。我々がJulianとの契約を結んだのは彼がチームの土台に更なるものを付け加え、更に成長させようとしているからだ。たまに後退したり、くぼみにはまったりしながらも彼は継続的にチームを成長させている。Julianと彼のチームは我々の期待を遥かに上回った。

インタビュアー:多くを求めるこの若い青年との話し合いはどのようになると想像しますか?
Mintzlaff:楽しくありつつも、目標へと導かれるようなものになる。彼はクラブを最適な状態に導けるようにしてるが、それと同時に何が成し遂げれるのか、上もきちんと見据えている。1つ例を挙げてみよう。昨年の冬の市場でとあるドイツ人CB(おそらくは当時Freiburg所属で、現LeedsUtdのRobin Kochのこと)をチームに加えようとした時に、我々は移籍金としてXを提示した。相手の要求額は提示額よりも€3~4M高いものだった。そこでJulianは自身の口からそれは高額すぎるし、我々がクラブとしてその額を支払えないことも理解していた。今、自分がJulianと共に経験していることは他のどの監督とも経験したことのないことだ。すなわち彼の全体の状況を見渡し、理解する能力。これが彼をまた1つ際立たせる要素でもある。

インタビュアー:そのCBとは誰のことを指しますか?
Mintzlaff:今はその名前を思い出せないな(笑) 

インタビュアー:Julian Nagelsmannは自分流に話すことがあります。そのことに関してはどう感じていますか?
Mintzlaff:全くもって意味をなさないフレーズや単語を彼が口にすることはない。彼のやり方には問題はないと思っている。それが我々のやり方だし、在り方だ。

インタビュアー:(CL最終節の)Manchester United戦の終盤にNordi Mukieleに当たったボールをPeter Gulácsiがセーブした時の脈拍数はどれくらい高かったですか?
Mintzlaff:とても高かった。Peteのセーブは彼の素晴らしいシーズンに相応しいものだ。我々のパフォーマンスは突破に相応しかったし、不当なPKが2つあったものの、勇敢にこのグループを勝ち抜けた。我々が94分まで試合を面白くさせたのも、試合とはそのようなものだからだ(笑) 

インタビュアー:CLのラウンド16ではLiverpoolと対戦します。Liverpool相手に光栄なる敗退となるかもしれません。
Mintzlaff:我々はそのようには考えていない。これは素晴らしい抽選結果だと思っている。ファンがスタジアムに来れないことは残念なことだ。このような素晴らしいクラブを相手にしても我々は次のラウンド、準々決勝に進みたい。

インタビュアー:Jürgen KloppはRBのここまでの軌跡を称賛しています。
Mintzlaff:このように高い評価をしてもらうことは良いことだし、我々は懸命に動いてきた。この素晴らしいRound16の舞台でドイツ人監督のトップ3のうちの2人を見ることができる。

インタビュアー:Naby Keitaの移籍交渉においてKloppは全ての力を注ぎこんだと言われています。
Mintzlaff:それは我々も同様だ。Jürgenは2017年にNabyを獲得したかったが、我々は彼を2018年までチームに残したかった。

インタビュアー:最終的に2018年までLeipzigに残り、多額の移籍金を残してLiverpoolへ移籍しました。
Mintzlaff:最終的には全員が満足する形となった。

インタビュアー:あなたはフリー移籍という最悪のシナリオもありえたTimo WernerとDayot Upamecanoの契約延長も成功させました。感謝の念のこもったあなたの交渉術が相手に影響を及ぼしているのですか?
Mintzlaff:我々はチームとして働いている。交渉における成功はいつも全体の努力によるものだ。TimoとDayotはクラブでの自分たちの立ち位置やチームにいることで成長できることを理解していたのだと思う。2017年のMainzでの試合のDayotのことを未だに覚えている。加入してあまり時間が経っていなった彼は2枚目のイエローカードを恐れていて控えめにプレーしていたことからHTに交代させられた。そして(当時監督を務めていた)Ralph Hasenhüttlがどうしたのかと言うと、彼は次の試合で彼を先発で起用した、素晴らしいことだ。

インタビュアー:来夏のUpamecanoの移籍はあなたにとって不変ですか?
Mintzlaff:どのクラブからも声はかかっていない。彼がチームに残ることに問題はない。

インタビュアー:SDのMarkus Kröscheは夏からFlorian Scholz、Christopher Vivellと共に3人で仕事をしています。Kröscheは2人が加わったことを不信感を抱いていたりしますか?
Mintzlaff:そのようなものは全く存在しない。Markus(Krösche)はPaderbornでSDとして素晴らしい2年間を送った。RB LeipzigはCLへの常時出場を目指しているクラブだ。業務はより複雑なもので、タスクは分配されなければいけない。3人それぞれに責任感のあるタスクが科されているし、決断は全員で下す。ここまではこのやり方が上手くいっている。自分も1人で全てのタスクをこなせないし、こなしたいと思っていない。自分自身の明確な考えは比較的あると思っているが、それと同様に同僚の考えにも耳を傾けるし、そうすることで良い話し合いができる。RB Leipzigでは組織図通りの活動はしていない。

インタビュアー:コロナ禍においてRB Leipzigはどのようにやり過ごしてきましたか?
Mintzlaff:我々は約€30M(約37.58憶円)の収益減となる。それでも従業員を1人も解雇することなくやってきた。空席のスタジアムでファンがいないという状況は長い目で見ても様々な観点から大きな負担にはなるものの、試合が継続できて、放映権料が収入としてはいる限りは今のまま続けることができると考えている。

インタビュアー:街中でデモを行なっている人たちはどのように思いますか?
Mintzlaff:健康が第一としてなければいけない。裁判所がライプツィヒの中心部でのデモを許容したことに関しては奇妙で怠慢なことだと思っている。あの出来事から学ぶことができると願っている。

インタビュアー:Gérard Houllierが亡くなりました。彼とはどのような結びつきがありますか?
Mintzlaff:温かい心を持った素晴らしい人だった彼はサッカーのエキスパートで、重要なアドバイザーでもあり、友人でもありました。彼とは数えきれない程の思い出があるし、彼とは頻繁に会っていたし、共に旅行にも行った。彼は我々がPSGと対戦する前にパリのホテルを訪れて、激励してくれた。クラブとしても、個人としても彼がいなくなってしまい寂しく思っている。