RB Salzburg №11 Brenden Aaronson〔ポッドキャスト〕(2020/10/17)

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来年1月にSalzburgに加入することが内定したBrenden Aaronsonのポッドキャスト形式のインタビュー。

インタビュアー:RB SalzburgのPressing Questionのポッドキャストのコーナーへようこそ。今日はアナウンスがあります。アメリカからの新加入選手、Brenden Aaronsonです。Brenden、このような話し合いの場を設けることができて嬉しいよ。調子はどう?
Brenden Aaronson:とても良いよ。このような場を用意してくれてありがとう。

インタビュアー:ここまでの流れはとても速かったし、若い君にとっては大きな決断になったと思うけれど、Salzburgの選手になった経緯を教えて欲しい。
Aaronson:一から話していくよ。まずこの2年は色々なことがあった年だった。2年前に初めてのプロ契約をPhiladelphia Unionと結んだ。それからプレー時間も増えたことからSalzburgが自分に関心をもってスカウトし始めたと思う。Salzburgのプレースタイルや哲学を見た時に自分にとってはこれ以上にない大きな機会だと思ったし、このような機会を逃すわけにはいかなかった。

インタビュアー:今日SDのChristoph Freundと話をしたんだけど、彼はSalzburgがBrendenのことを18か月前から追っていたと話していた。実際にSalzburgに目をつけられていると気づいたのはいつ頃?
Aaronson:初めてそのような話を聞いたのは6か月くらい前のことで他のヨーロッパのクラブも自分に関心を示しているという話は聞いた。けれど、Salzburgが興味を強め始めたのは2,3か月前のことだと思う。MLS is BACK Torunamentというトーナメント形式の大会でシーズンが始まり、そこからどんどんと関心が強まったんだと思うし、そこが移籍への始まりだった。

インタビュアー:MLSも近年はとても成長してきているリーグだと思うけれど、やっぱりヨーロッパでプレーしたいという気持ちはあったの?
Aaronson:もちろん。アメリカ人選手は自分たちのリーグの立ち位置がどうかとかはあんまり考えていない。特に自分を含めた若いアメリカ人選手たちにとってはヨーロッパでプロのサッカー選手になることが夢だ。CL、EL、各国のリーグというビッグステージ、そのような競争的な場所は常に大きな夢の1つだった。

インタビュアー:なぜ他のチームではなくSalzburgを選んだのか、同じアメリカ人のJesse Marschの存在はどれほどその決断に影響していた?
Aaronson:もちろん、彼の存在が大きかったのも事実だけど、それだけではなくクラブとしての魅力を感じた。クラブの在り方やプレースタイルは自分のスタイルに合うと思った。JesseがNYRBで指揮を執っていた時の試合も見ていたし、彼はサポーターズシールズ(MLSのレギュラーシーズン最多勝ち点)も獲得していたし、プレーオフでも良い試合をしていた。監督として素晴らしく、自分にとって完璧な人だと思う。彼の下でプレーすることは自分のキャリアにおいてとても大きいことだと思うし、本当に楽しみにしている。

インタビュアー:Brenden Aaronsonがどのような選手かを知らない人も多くいると思う。自分がどのような選手なのか説明してくれない?
Aaronson:そうだね、クリエイティブでエネルギッシュなMFだと思う。前線に顔を出すのが好きで、アシストやゴールで得点に絡みたい。あとは攻撃面に限らず守備面でもハードワークをする。全ての試合で自分の出せるすべての力を出している。

インタビュアー:YouTubeで君のプレーをいくつか見たけど、前線にもどんどん顔を出していくスタイルはSalzburgにも合うと思うね。Pulisic、Reyna、McKennieみたいに早い段階からヨーロッパに移籍してプレーしている選手がいる一方でBrendenみたいにMLSのアカデミーで成長してから移籍するってのは珍しいタイプだと思うんだ。そのようなステップを踏んで、今が移籍に相応しい時期だと思った要因は何だったの?
Aaronson:ヨーロッパにできる限り早く移籍することは更なる成長をもたらしてくれると思う。日々のトレーニングや試合の中身もアメリカのものとは違うだろう。上述の3人が早くに移籍したように成長を続けるMLSの選手たちをヨーロッパのクラブは注視していると思う。MLS自体も過去と比べると多くの若い選手を起用するようになったし、若いアメリカ人選手は試合に出れるようになって更に惹かれるような存在になっていると思う。

インタビュアー:サッカーのレベルは上がってきていると思うけど、アメリカでは4大スポーツ(野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー)に並べる存在になってきたと思う?それともまだ後れを取っている状態?
Aaronson:アメリカではサッカーはまだ間違いなく後れを取っていると思う。4大スポーツを見ながら育つのがアメリカンスタイルだと思う。サッカーの人気が出てきているのも事実で、スタジアムに人が集まったり、試合を追ったり、日常会話で話をしたりしているし、アメリカでもサッカーの存在は大きなものになってきていると思う。これからも成長し続ける必要があるし、そうすることで優秀な選手が更に生まれてくる。

インタビュアー:なんでバスケットボール選手やアメフト選手ではなくサッカー選手になったのかを教えてくれない?
Aaronson:体格的にその2つの選手になることはできなかったよね(笑) 父の影響が大きいかな。ニュージャージーにあるMonmouth Univ.でサッカーをしていた父が自分のここまでの成長に大きな役割を果たしていると思う。今自分が知っている全てを父に教えてもらったよ。彼なしにここまで成功を収めることはできなかった。最初はテレビでLiverpoolの試合を見ることから始まったんだ。それからは弟のPaxtenと一緒に毎日練習していた。サッカーへの愛はそこから来たんだ。それからはずっとサッカーに捧げてきた。

インタビュアー:画面の後ろにSteven Gerrardのポスターがあるよね?
Aaronson:そうそう、あと彼らがCLで優勝した時のポスターも貼ってあるよ(笑)

インタビュアー:オーストリアでは10人中9人がクラブチームの下部組織から昇格する形でプロの選手になるけど、アメリカは違うルートもあるよね。クラブのアカデミーもまだ比較的新しい方だし、Jesse MarschはPrinceton Univ.でプレーしてからプロの選手になったよね。Brendenの場合は高校→大学のルートは考えたりしなかったの?あとは具体的にアカデミーがどのような仕組みで成り立っているのか教えて欲しい。
Aaronson:良い質問だね。自分の場合はMedford New Jerseyという街クラブでプレーを始めた。良いチームだったし多くの試合に勝っていた。そのあとに父がクラブオーナーを務めるReal New Jerseyでプレーすることになった。ここはニュージャージー選抜みたいな感じで優秀な選手が集まっていた。全国大会に出たりもしたしここもとても良いチームだった。
そしてPhiladelphia Unionにスカウトされて、クラブの下部組織でプレーすることになった。U14、U16、U18、セカンドチームと段階を踏んできた。地元の高校には1年だけ通った。Unionが所属選手のために独自の学校を始めたんだ。YMCアカデミーといって、アカデミックな勉強とサッカーをするための学校だった。1日に2回練習できる仕組みだったから練習量も倍になったし、学校と練習場間の移動がなくなって宿題などをするにも余裕ができた。クラブとしての哲学ができつつあるし、とても良いことだと思う。
そこからセカンドチームでもプレーするようになり、そこでも良いプレーをすることができたからトップチームに昇格することができた。それで、今の自分があるわけさ。

インタビュアー:ここまでのキャリアにおいて最も影響を受けた人は誰?
Aaronson:何人か思いつく人はいるね。父はもちろんだ。彼は試合の後に最初に話す人だ。自分に厳しく意見を言ってくれるしとても助かる。他にはUnionのセカンドチーム、 Bethlehem Steelで当時監督を務めていたBrendan Burkeやアカデミーの時のコーチだったChris Brewer、そしてもちろん今の監督、Jim Curtinもだ。彼は自分の成長に大きな影響を及ぼしてくれたし、自分のことを信頼してくれている。感謝してもしきれない。

インタビュアー:異なる言葉が話され異国での生活が始まることになるわけだけど、このような挑戦に好意的なのか、もしくは何かしらの不安だったりを抱えていたりする?
Aaronson:自分自身に関して言えば挑戦は大歓迎だし、自分の人生においてこのような挑戦を求めていた。自分は準備万端だと思う。実家に住んでいることもあるから、もちろん家族のことが恋しくなることもあるし、恋人や友人たちも恋しくなるだろう。ただ、サッカー選手の挑戦にこのようなことは付き物だ。だから自分は意を決したし、今はSalzburgでの新たな挑戦が楽しみで仕方がない。

インタビュアー:Instagramを見たらすぐに恋人の存在に気が付くけれど、彼女もいっしょにオーストリアに来る予定なの?
Aaronson:それも良い質問だね(笑) 彼女はアメリカで大学に通っているし、自分としては彼女がやりたいことをやって欲しいし、学位も取って欲しいと思っている。ただ自分についてくるだけではなくて、彼女の人生を歩んで欲しいと思っている。このことについては彼女とも話し合っている最中だし、最善策を探している段階だ。最終的には全てが上手くいくと思うよ。

インタビュアー:誰を見ながら育ってきた?あるいはロールモデルは誰なの?
Aaronson:既に言ったけれど父がいつもプレミアリーグを付けていたから週末はいつもLiverpoolの試合を見ていた。Steven GerrardとFernando Torres、彼らがLiverpoolでコンビを組んでいた時が好きだった。ただ、ロールモデルはGerrardかな。毎週末、彼はハツラツとプレーしていたし、彼は得点も決めることができれば、アシストもできるし、FKも蹴れるし、最後まで走り続けていた。彼のそのような点に感嘆したし、今の自分も試合でそのような部分を出そうとプレーしている。

インタビュアー:Jesse Marschも上手にドイツ語を操っているけれど、Brendenもドイツ語を学んでいかないとね。たぶんこれまでにドイツ語のレッスンを受けたことはないと思うけれど...。
Aaronson:ないね(笑) 中高はスペイン語の授業を選択していたから。

インタビュアー:ファンに向けて何か言いたいことはある?あとはファンに知っておいてもらいたいこととか?
Aaronson:そうだね、自分はクラブのために全ての力を出し尽くすつもりだし、新たな挑戦が楽しみだ。Salzburgで素晴らしい時が過ごせるように頑張るよ。

インタビュアー:最後にとても良いことが聞けて良かった。今日は時間を作ってくれてありがとう。
Aaronson:こちらこそ、ありがとう。Bye!