RB Leipzig №4 Willi Orbán〔インタビュー〕(2020/06/27)

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インタビュアー:怪我でピッチの外から試合を眺める時間が長かった今季をどう振り返りますか?
Willi Orbán:基本的には満足している。3回目のCL出場権の獲得ができた。これは我々にとってはまだ当たり前のものではない。それにCLではベスト8にまで進むことが出来た。ただ、我々は首位でシーズンを折り返したし、もっと結果を残せると思っていた。それぞれの選手が最大限を求めていたが、現時点ではBayernとDortmundは我々より質が高く、安定性のあるチームであることを最終的には認めなければいけない。これをみて我々は現実に戻され、まだまだいくつかの段階を踏まなければいけないことに気づかされた。これは後期での我々と2チームの違いから分かったことだ。

インタビュアー:後期にBayernがLeipzigより20も多く勝ち点を稼いだことについて。Orbán:もちろん我々はもっと高いところに行きたかった。ただ、我々はまた現実的でなければいけないし、Bayernが安定した戦いをみせたことも‪見逃してはならない。彼らは我々と同じように疲労も溜まっていたが、我々と異なって試合をきちんとモノにした。我々はまだ純真で、軽率で、未熟だった。これらの点を剥ぎ取って、まだまだ成長しなければいけない。これが過程というものだ。‬

インタビュアー:‪後期の失速はウインターブレークで他チームが対策を練ってきたから‬‪だと思いますか?
Orbán:そこまで込み入った理由ではないと思う。Nagelsmannは前期と同様にアプローチをし続けてくれ、彼の原則をチームに与え続けてくれた。後期はよりよい結果が出せるよう努力した。ただ、シーズンは長いことに気がついた。特にコロナウイルスの影響もあって今季は更に。エネルギーの使い分け‬も大事な要素だと思わされた。Bayernが最もわかりやすい例だ。彼らは前期はよりリラックスした状態でプレーし、後期のここぞという時期に常にベストな状態でいきいきとプレーし、彼らの目指す道へと突き進んでいる。これは彼らにはあって、我々にはまだない経験というものも大きく関わっている。

インタビュアー:‪Nagelsmannは何度かチームのリーダーシップの欠如について話をしていますが、具体的にどのような点が変わる必要があると思いますか?
Orbán:我々が最も声を出すチームではないと思うが、それが後期に失速した主な要因だとも思わない。多くの選手は責任感が強い。Thomas Müllerみたいにファウルがある度に審判に‬アピールする人はいないけどね(笑) それでもプレーでリーダーシップを発揮し、責任感を体現している選手はたくさんいる。ただ、多くがまだ若い選手だ。特に若い選手は個人のパフォーマンスを安定させたり、ゲーム前後の調整だったりと責任感を示すことができる可能性も多くある。‬ ‪そしてピッチでそれらを示すことも。‬

インタビュアー:ロッカールームでの変化はありますか?
Orbán:ない。近年はリーグが終わりに近づくにつれて士気が多少落ちることもあったが、今年はなかった。雰囲気も素晴らしく、選手も地に足つけた状態で、トレーニングから常にやる気に満ち溢れている。Nagelsmannは上手くやったと思う。

インタビュアー:具体的にはどのようにですか?
Orbán:我々は一人一人大きな野望を抱いているし、大物狩りをする可能性もある。ただ大きすぎる目標を掲げてチームをその方向に導こうとしても、チームがそのレベルとは異なるレベルでプレーしていたら、それが失望に繋がることもありえる。そこで我々は自分たちを振り返ってみる必要があった。これまで何を成し遂げたのか。自分たちがどこから来たのか。今季は新たなスタイルのサッカーをする監督が来た。最終的にはポジティブなことが多く残ったことが彼がうまくやれた証だ。

インタビュアー:Red BullのサッカーのDNA、あるいは代名詞ともいえるアグレッシブなサッカーとよりボールを保持するサッカー。これらの2つの要素を継続的に融合することはできると思いますか?それともRedbullのDNAは飲み込まれなくなってしまうと思いますか?
Orbán:これは我々が近い将来向き合わなければならない1番大きなチャレンジだ。積極的で持続的にプレスをかけることとボール保持を中心とした新たなスタイルのバランスをとることが問われる。我々はその戦術に対応しそれによるフィードバックを繰り返し続けなければいけない。もちろん成長し続けなければいけないが、それと同時にクラブのアイデンティティも保ち続けなければいけない。

インタビュアー:Diego DemmeやStefan Ilsankerら昇格に貢献した柱の選手の数人は既にチームを去り、Emil Forsbergの去就も不透明です。彼らのような選手が持つ経験が必要な時ではないですか?
Orbán:我々のスカッドの持続性は並外れて優れている。2部時代を知っている選手はまだ7人(Poulsen、Klostermann、Halstenberg、Forsberg、Orban、Gulacsi、Sabitzer)もいる。スカッドに変化が加わることは普通のことだ。チームの構造、プレースタイル、これまでと同様にチームで共に戦うという姿勢、ここまでどのようにして這い上がってきたのか。これらをなくさずに継続していくことは重要だ。さらに今はこの土台の上に新たにNagelsmannの考える原則を乗せて次のレベルへ進化している段階だ。例えばTimo Wernerのように大きく成長してChelseaに移籍したケースはチーム全員の評価にも繋がる。ただ、我々は選手を残してみんなでチームの目標を達成したいとも思っている。さらなる経験を得ることはより強固なスカッドを築くことに繋がるだろう。

インタビュアー:Nagelsmannが来て個人的に大きく変わったと思う部分は何ですか?
Orbán:ボール保持に関する部分のすべて。一定のゾーンで相手より有利になるために、スペースを創り出すために、敵の背後を突くために我々は中盤では常に数的優位の状態を作りたい。毎日のトレーニングを通じてJulian (Nagelsmann)は今まで考えたこともなかった幾多もの新たな方法でアプローチしてくる。我々はより柔軟になり、より多くのチャンスを創り出せるようになり、打開策も多く見出せるようになった。これまでこのような練習をしたことはなかった。だからこそ、このような部分で早くから成長を感じることができてどちらかと言えば驚いている。

インタビュアー:チームと監督の関係性はどうですか?また前任者(Ralf Rangnick)と比較できますか?
Orbán:その2人を比較することはできない。誰もが強みを持っている。Julianの方が彼のやり方もあってか多少リラックスした感じはする。遊びがあったり、自身がトレーニングに参加したり、1人でボールを蹴っているシーンも多くみる。監督しては若い部類に含まれるのにもかかわらず、既に監督としての素晴らしい素質を兼ね備えている。それに加えまだまだ成長したいという欲も彼にはある。基本的には彼のすべての部分に納得している。彼もまた監督としての道を歩み続けるだろう。

インタビュアー:Nagelsmannが公の場でチームを批判することもありましたが、それはチームにどのように届いていましたか?
Orbán:もちろん気がついてはいた。でも、あのような姿勢があることも彼がこのクラブに適切である理由の1つだ。我々が大きな目標を成し遂げるために必要な存在の1人だ。彼もチームに求めていることがある。彼が選手を信じ、我々の全てに信頼を置いていることを表しているものだったと僕は理解している。チーム内でも前向きなメッセージだと受けとられていた。

インタビュアー:(新監督になって1年目だった)19/20シーズンは20/21シーズンに成功を収めるための準備期間だったと考えますか?
Orbán:上位に食い込み(CL出場権も獲得し)、CLでも準々決勝まで駒を進めることができたことは準備期間だとしたら悪い結果ではない。そう思わないか?全てがうまくいくことはもちろん予期されていなかった。新たな方向への転換はすべてを成し遂げるためには大きすぎるものだった。ただ、来季大きなステップを踏むための基盤は整った。

インタビュアー:大きなステップ。具体的に言うと何を意味しますか?
Orbán:順位表のトップに近づくこと。最後のステップを踏むためにはさまざまな部分で残りの数パーセントを埋める必要があるが、今のチームのレベルからすると十分に到達することができるものだと考える。

インタビュアー:3位はLeipzigの最高到達点ではないと。まず初めにDortmundに勝ることはできると思いますか?
Orbán:もちろんだ。そのために我々はここにいるし、毎日全力で取り組んでいる。成長することができるように細かい部分まで詰めているし、さらに上位を狙うことは十分に可能だと考えている。それが我々の大望だ。

インタビュアー:半月板の手術で長期間離脱していましたが、バックラインのレギュラーに返り咲くなどの個人的な目標はありますか?
Orbán:もちろん、レギュラーに返り咲くのは個人的な目標だ。復帰には時間を要したし、今もまだ100%ではない。パーソナルトレーナーの力も借りながら短いバカンス期間を利用して100%に近づくことができるように取り組む。最高の大会であるCLが再開するのをとても楽しみにしている。

インタビュアー:Lukas KlostermannとMarcel Halstenbergがポジション争いのライバルに加わりました。自身のポジションについてはどう考えていますか?
Orbán:その点については考えたことがない。自分がトップフォームを保っていれば、チームに多くのことを与えることができるし、周りは関係ない。それくらいの自信はある。ただ、我々には重要な試合が多くあるし、このポジションに多くの選手がいることは監督が戦術的な変化を加える機会を増やすことにも繋がる。それぞれの選手が持てるすべての力を発揮するだろう。今季の終盤に露呈してしまった疲労困憊の状態に上手く取り組むためにも幅のあるスカッドは必要だ。そうすることが来季の成功に繋がるだろう。