RB Salzburg №40 Adam Stejskal〔インタビュー〕(2022/8/13)

Adam StejskalはFC Zbrojovka Brnoでサッカーをしながら育った。16歳の時、彼は海外に移住した。具体的にはオーストリアザルツブルグに。「16歳での移籍は大変なことだったから、両親や代理人と長い間話し合った。でも、決断にあまり時間は要さなかったし、明確なものだった。」

「大きな違いだ。施設面でも生活面でも。2年間はアカデミー(の寮)に住んでいたから、実質的には全てをそこでやっていた。食事も睡眠も学校もトレーニングも。外に出るのはみんなと遊びに行くときか、数週間に一度、実家に帰る時だけだった。だから、大きな違いがあった。また、サッカーがどのように行われているか、競争的な環境も異なる。大きな飛躍だった。」

ブルノ出身の彼は移籍当時はブルノの体育系の学校で学んでいた。オーストリアに移ってからはプラハの学校に転校した。

それに、Stejskalは家からそんなに遠くないという点も気に入っている。「車で3時間半、電車で4時間半だ。(チェコ国内の)ピルゼンやテプリツェでプレーしても同じようなものだ。イギリスやスペインの選手と比べたら、この点ではずっと恵まれている。」

生活については、オーストリアチェコと似ていると思う。ただ、人々の態度はもう少し前向きなものだ。サービスや設備の面でもよく似ている。極端な飛躍をしたわけではない。」

Adam Stejskalは今季、非常に多忙な日々を送った。まず、2部リーグに所属するRed Bull Salzburgの提携クラブであるFC Lieferingの一員として2部リーグでプレーし、さらにSalzburgのU19チームの一員としてUYLに出場した。

「LieferingはRed Bull Salzburgの提携クラブだから、2つの別々のクラブだけど、チームにはSalzburgのU19チームと実質的に同じ選手がいた。だから、ほとんどの選手と実質的に同じチームで一緒にプレーした。だから、その点では複雑ではなかった。仕事量という点ではあれだけプレーできたのはよかったと思う。自分の成長において、大きなプラスになった。」

UYLの旅はRed Bullの選手達にとって簡単なものではなかった。グループステージではSevilla、Wolfsburg、Lilleと対戦しなければならなかった。「大会に出場できることにかなり興奮していたから、グループステージでの目標は特別高くはなかった。」

しかし、決勝トーナメントでSalzburgはŽilina、PSG、Atlético Madridと対戦し、準決勝は5-0で圧勝している。「ベスト4に進出した時、目標は明確だった。優勝を目指すこと。準決勝は非常に良かったし、相手のスタイルも自分たちに合っていたから、結果的には圧勝になった。」

Red Bull Salzburgは決勝で敗退した。Benficaに0-6で敗れた。「なんて言ったらいいんだろう。自分たちは崩壊してしまって、負けるのが当然だった。きっと現実的にはもっと大きな敗戦だったんだろう。壊滅的だった。何度もLieferingの試合を犠牲にもしてきた。選手たちはUYLに備えるためにリーグ戦で自分を温存していた時期もあったから、大きな失望感があった。でも、全体的に見ると決勝に進出できたことを最大限に喜んで良いと思う。」

Stejskalは2部リーグでのシニアのサッカーはUYLのユースサッカーとは単純に違うとも指摘した。「2部リーグはとても強く、戦術的で、得点もあまり生まれない。でも、UYLはオープンな試合だったし、若い選手たちのプレーは精神的なものが大きく影響する。ユースサッカーではよくあることだが、片方のチームが非常に優れていて、もう片方では最初に何かのミスが起こり、それがチームを落ち込ませることがある。」

Adam Stejskalは現在、自分の将来について考えている。彼は2024年の夏までSalzburgで契約しているが、Lieferingにはもう居場所がなく、トップチームでは多くの選手が競争している。

「18歳でLieferingに来た選手は2年間はそこにいるべきだという不文律がある。自分の場合、この2年間がそうだったから、Lieferingではもうほぼ100%プレーすることはない。夏からは普通にトップチームで練習していた。残念なことに2週目に足首の靭帯を切ってしまい、2週間休養を取らなければいけなかったが、今は調整中だ。」

「移籍市場は8月末まで開かれている。自分が成長するために意味のあるレンタル移籍があるかどうかを見てみる。もし何も見つからなければ、冬までトップチームにいることになり、もしかしたらカップ戦でプレーする機会があるかもしれないと期待している。」

Adamにはどちらの選択肢も用意されているが、試合経験を積むためにレンタル移籍を希望している。彼によると、チェコに戻る可能性は低い。競争がなくなってしまうからだ。

「試合で活躍できるクラブ、Lieferingより一段上のリーグを見つけることが重要だ。でも、なかなか見つからない。クラブと自身の競技レベルの両方の要求を満たすような理想的な解決策を探している。」

Red Bull Salzburgはスカウティングと若い選手の能力を最大限に引き出すシステムで差知られている。「ここでは競争が激しいから、成長にはもってこいだと思う。トレーニングは質と強度の面からも素晴らしいものだ。全ての選手が100%を注ぐことに重きを置かれている。」

Stejskalは精神的に厳しいところがあることも認めている。特に、誰かがチャンスを得た時には。「でも、それはサッカーで成長するための一部分だと思う。ここにいるみんなはそのことに対して平穏を保ち、幸せに感じていると思う。これは将来的に大いに役立つだろう。」

Red Bull Salzburgは近年、オーストリアでは絶対的な強さを誇っている。加えて、国際舞台での評価も高まっている。UEFAのカントリーランキングでオーストリアが8位につけているのも、そのためだ。

Stejskalによれば、チェコのリーグはオーストリアのリーグとあまり変わらないという。オーストリアには12チームしかなく、そのうち5チームが(UEFA主催大会の)予備予選を戦うという利点がある。自分たちは今年はCLのグループリーグに参加している。多くのチームがヨーロッパの試合をしていることはリーグ全体のためになる。」

ファンについても同じように感じている。「自分たち、Rapid Wien、Austria Wien、Sturm Grazには良いファン層がある。中位と下位のチームに関してはチェコと似ている。自分はチェコでプロサッカーを経験したことがないから、比較するのは難しい。それに2部リーグでプレーしていたこの2年間はLieferingや2ndチームの試合にはあまり人が来ない。どちらかというと、スカウトや家族のような感じだ。2部リーグのチームに関しても、ちゃんとしたファンがいて、試合に3~4000人のファンが訪れるクラブが3,4つある。」

Adam StejskalはSalzburgがオーストリアのファンからどう見られているかについてもコメントしている。例えば、Leipzigはオーストリアのチームと同じくレッドブルの傘下に入っているが、ドイツでは常にヘイトスピーチに直面している。

「Leipzigの方がここよりもずっと過激だと思う。Salzburgには長い歴史があり、クラブ名が変わっただけだ。自分たちに対しての憎しみはない。古典的なライバル関係だ。チェコのチームがSparta (Praha)やSlavia (Praha)に挑むようなものだ。」

Leipzigと比較すると、Salzburgは国内の競争を支配している。「Salzburgは9回連続で優勝しているから、誰もがその座を奪還しようとしている。でも、ギリシャバルカン半島みたいに、石を投げつけられたりするようなことはない。オーストリアではここ数年は自分が一番で、みんなが自分たちを追い落とそうとしている。」

RapidやAustria、Sturmとの試合はよりピリピリとしたもので、Salzburg戦は雰囲気が最高だという。「でも、それは特別なことではない。 」と彼は締めくくった。